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唐版 滝の白糸 <ネタバレなし感想>


    シアターコクーン・オンレパートリー2013
唐版 滝の白糸
    2013/10/8(火)~10/29(火)
    スタッフ
    作:唐十郎 演出:蜷川幸雄
    出演
    大空祐飛、窪田正孝、平幹二朗、
鳥山昌克、つまみ枝豆、井手らっきょ、マメ山田、プリティ太田、赤星満、ミスター・ブッタマン、
澤魁士、野辺富三、谷中栄介、浦野真介、堀源起、砂原健佑、續木淳平 ほか



    聖なる愚者と娼婦の邂逅

    窪田君、超良かった。
    久しぶりに窪田君が出演してる作品で、血湧き肉踊ったわ。
    もう最近、窪田君が出てる作品が、悉く私の心の琴線に触れなくて。
    いつからまともに彼を観てないんだろう。ひょっとして『緋色の研究』以来だろうか? いや、映画『鈴木先生』のトークイベントがあったか。
    ひょっとして、私、愛が冷めてきちゃったのかなと思ってたんだけど。
    違った。
    私の愛は、違うフェイズに移行していたのです。
    前はね、落ち着きのない息子をハラハラしながら見守っているお母さんの気持ちだったんだけど。
    今はこう、円熟の境地に達したというか、乳母とかおばあちゃんの気持ちに既になってきたというか。
    「あんなに小さかった子が。こんなに立派になって。ばあやは嬉しゅうございますよ」的な(笑)。

    やっぱり窪田君はこう使わないと。いいよ舞台、凄くいい。
    彼の溢れるエナジーと、身体性の高さと、硬質で清潔で無垢な雰囲気と、高い叙情性を正しく評価して使うとしたらこうだ! みたいな素晴らしい役と演出でした。
    話はわけ分からなかったですが、別にそれはいいです。最初からそんなものは期待してなかったし。どうせ戯曲読んだって意味分からないだろうなと思って、下調べも何もせずに観に行きました。
    ストーリーを追うような芝居じゃなくて、念仏みたいな台詞を機関銃のようにまくしたてながら、いかにその言葉の羅列に体の動きを適合させるか。言葉の意味だけではなく、言葉の持つ音と言霊と体の表現で、強引に無理矢理に客を舞台上の世界に引きずり込んで、いかに客を説得し納得させられるかにかかってる演劇だなあ、と思いました。

    パンフの、三池監督から窪田君へのメッセージがこれまた素晴らしい。
    三池監督が窪田君を見いだした『ケータイ捜査官7』の名前を出して、彼がいかにきらめく原石であったかを、三池監督らしいちょっとひねたユーモアで、最大級の賛辞を贈ってくれている。
    多分、蜷川監督も『ケータイ捜査官7』を観たんじゃないかと思う。そして窪田君の起用を決めたんじゃないかと。これは私の憶測でしかないけど、何故か私はそう確信している。
    三池監督が窪田君を「彼がケイタだ」と思ったように。
    蜷川監督は、「彼はアリダだ」って思ったんだろう。

    窪田正孝には、何故か昭和のにおいがする。
    昭和の最後の年に産まれた彼がその時代を知るべくもないだろうし、本人にだって全くその意識はないだろうけど。
    彼の背後には、70年代の新宿の路地裏が見える。
    ぎらついた目で、飢えた体を抱えて、饐えた匂いの漂う街を、野良猫のように居場所を求めて徘徊していた当時の若者の姿が、時空を超えるようにして、今現在を生きている彼の姿に、二重写しになって見える。
    『唐版 滝の白糸』の初演は1975年。その頃にはまだ産まれてすらいなかった平成育ちの青年が、昭和のアングラの佇まいをその身に纏いつかせて、今、この舞台に立っている。

    ほら、私も前々から、「なんか窪田君て昭和のヤンキーっぽい」って言ってたじゃないですか。
    『傷だらけの天使』のアキラちゃんを窪田君にやらせるべきと、ことあるごとに言ってたじゃないですか。
    1974年に、当時22歳の水谷豊さんが演じた役でね。これがもう頭の弱いチンピラで、「この貧しいオカマ」と罵られつつも、ショーケン演じる兄貴分から離れられない可哀想な子でね。素敵に可愛くて健気で、でもこすっからいところもあって、不憫萌え的にはたまらないの。
    どう? 観たくなってきた? なんだったら私DVDーBOX持ってるから貸すよ。なんなら観ながら蘊蓄付けるよ(うざいよ)。
    言っておきますが、私も『傷天』はリアルタイム世代じゃありません。窪田君よりは年上ですが、三池監督よりは年下です。でも心は永遠の17歳です(おいおい)。
    『傷天』は10年くらい前に『相棒』きっかけに水谷さんブームが私の中に起こって、過去作品観ているうちに、雷に打たれるようにしてハマりました。
    私にとっての70年代は、『傷天』と、鈴木いづみと、阿部薫で出来ています。
    その私の考える70年代的世界の中に、窪田君はとてもしっくりと当てはまる。
    だからそのうち、監督三池、脚本古沢、アキラ=窪田で傷天リメイクをやればいいと、かなりマジで考えています。
    ショーケンは誰がいいかな。やっぱり長瀬君かなあ。





    おまけ。

    ☆昔書いてた『傷だらけの天使』と『相棒』の感想ブログ。
    Innocent Accomplices


    ☆作家・鈴木いづみと、サックスプレイヤー・阿部薫がモデルの、若松孝二監督の映画。
    私が一番好きな『恋愛映画』






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    Comment
    Re:>染若さん
    コメントありがとうございます。
    私は9日夜と14日昼に見てきました。これで私の滝の白糸はおしまいです。

    なんか私は、年取るごとにどんどん偏屈になってきて、好きな役者が出てても、作品自体が面白くないと見られなくなってしまいました。窪田君が主演ならそれでも頑張る気になったかもしれませんが、いつぞやの月9みたいな出来ではねえ。おっと口が滑りました。

    >その点アリダは邪念なく観られますね、どれだけ
    窪田感が炸裂しても、邪魔になることはないでしょう。

    ほんとにその通りですね。私的にはようやく、
    「ケータイ捜査官7以来の窪田の代表作が出たぞ!」って気分です。蜷川さん、ありがとう。蜷川監督の目が黒いうちに間に合ってほんと良かったです(おい)。

    窪田君ファンの年齢層が高いのは、やっぱり昭和のにほいがするからじゃないかなあと思ってます。私がもし今20代だったら彼のファンになってたかというと、なってなかったと思います。なんだか彼は同年代から見ると、雰囲気が奇矯で、近づきにくいんじゃないかという気がします。

    また読みにきてください。

    こんにちは。

    以前、鈴木先生の時にコメさせていただきました。
    10日にご覧になったのでしょうか。私はこの日の
    お昼に観ておりました。

    私も琴線に触れない役はありますよー(笑)
    けど、彼はそれこそあの全力精神で、凄い力技を
    見せてくれるもんだから、結果的には追いかけてしまいますが (^^;;

    その点アリダは邪念なく観られますね、どれだけ
    窪田感が炸裂しても、邪魔になることはないでしょう。
    出力マックスが青天井で許されているなんて!!
    なんて幸せな空間なんだろうって…震えました。

    昭和のイメージ…興味深いですね。
    私感ですが、彼のファンには他の同年代俳優と比べても、
    圧倒的に40代以上の女性が多いように思います。
    私もそうですがw
    そういうことも関係してるのかな?(笑)

    また、読みに来ますね。
    ありがとうございました。
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