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    【リーガル・ハイ ♯9】 怒りをこめてふりかえれ

    Look Back in Anger.


    「ーーーそして今、土を汚され、水を汚され、病に冒され、この土地にも最早住めない可能性だってあるけれど、でも商品券もくれたし、誠意も絆も感じられた。ありがたいことです。本当によかったよかった。これで土地も水も甦るんでしょう。病気も治るんでしょう。工場は汚染物質を垂れ流し続けるけれど、きっともう問題は起こらないんでしょう。だって絆があるから!」

    「ーーー誰にも責任を取らせず、見たくないものを見ず、みんな仲良しで暮らしていければ楽でしょう。しかしもし、誇りある生き方を取り戻したいのなら、見たくない現実を見なければならない。深い傷を負う覚悟で前に進まなければならない。戦うということはそういうことだ」


    これまでの話が、「コメディ」という名の下に、現実の事件を想起させるエピソードを、シニカルな笑いに包んで提示してきたことも。
    IQと幼児性の高い主人公が、詭弁染みた物言いで、見ている者を翻弄し続けてきたことも。

    それらは全部、今回の古美門の長台詞に繋げるための、布石だったんだ(呆然)。
    なんかもう・・・凄いね。

    【道化】の仮面で素顔を隠した青年は。
    その手に法律書を携えて。
    【法廷】という名の舞台に立つ。
    そしてその全てを把握することは不可能なほどの、大きな敵と闘うのだ。

    彼の武器は、言葉と論理だ。
    そして彼が口から発するその武器は、抜いた剣先を、相手の喉元にも、自分の胸先にも突きつけて決断を迫るような、そんな諸刃の剣でもある。

    でもこれは自滅行為でもテロリズムでもない。
    これはレジスタンスだ。
    肉を切らさず、血を流さず。
    法というロジックと言葉の力を武器にして。
    踏みにじられた誇りと尊厳を、自らの手で取り戻すために、闘うのだ。


    このドラマを、私がもっとも下世話で低俗だとみなしている局が、夜9時のゴールデンタイムに全国放送しちゃった事実そのものが、実に痛快だった。

    これで今頃、かの局のお偉いさんたちが、あたふたしてたとしたら、とても愉快ね。
    この内部からの痛烈な皮肉にも気づいていないのだとしたら、おめでたすぎて羨ましいことだわ。
    今の状況がいいとは決して思っていない人たちが、エンターテイメントの皮膜にくるんだメッセージを、制止されないギリギリのラインで、電波に乗せてきたんでしょう。
    これも一つのレジスタンスだ。


    このエピソードで立ち上がったのは老人たちだったけど、これは若者たちにも向けたメッセージだったようにも、私には感じられた。
    まあ、そこに私のバイアスがかかっちゃっていることは否定できないけど(苦笑)。


    余所の国だったら、とうの昔に暴動が起きててもおかしくないようなこの場所で。
    既得権益を奪われまいとしている老害たちが、若者たちに仕事もチャンスも与えず、人を育てることも放棄している。

    「自己責任だ」「能力不足だ」。
    そんな言葉に騙されてくれる、心優しい若者たちは、何も言わずにただ日常に埋没し、場合によっては静かに自ら死んでいってくれる。

    でも本当にそれでいいのか?
    無能な年寄りたちが下の世代に先送りにしてきたツケを、ただ黙って受け止めるだけでいいのか?

    それでいいなら好きにすればいい。
    だが、これ以上コケにされたくないのなら。
    抵抗しろ。
    自分のプライドは、自分で守れ。

    ・・・っていうのは、私の幻聴かもしれないけど。またなんか電波受信しちゃったのかもしれないけど。
    でも、そう言う声がどこかから聞こえた。
    ・・・ような気がする。


    こんな台詞を書いちゃう古沢さんは、とても頑固で偏屈で、シニカルでドライでタフで、そして熱い人なのね。
    け、結婚してく(もうそのギャグはやめろ)

    そしてそれに答えた、堺さんの【舞台役者】っぷりも、存分に発揮された回でもありました。
    あの長大な台詞の一粒一粒を、正確に明確に意味のある音声にし、でも決して棒読みにはならずに、感情をのせて、最後まで淀みなく伝えきった、その技術と才能に拍手を送ります。



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