「ドラマ・鈴木先生」 最終話感想その1 

    ☆『鈴木先生』は最初から最後までテンション下げることなく神ドラマだったので、どうしてもこの凄さと素晴らしさを分かち合いたいので、しつこくお勧めしちゃったりするんだぜ、の巻


    このドラマは途中からじゃなく、是非とも1話から通して観ていただきたい。
    そして、個々のエピソードの中に周到に仕込まれていた伏線が、ラストに向けて解き明かされて、収束していく手腕の美しさに、是非とも酔いしれていただきたい。
    (なんか・・・凄いものを見た)っていう気持ちになりますよ。


    で、以下、ネタバレびしばしの感想。
    まだ本編見てないっていう人は、全話見てからまたきてね。先入観持たない方が絶対面白いから。
    おねがい♪(マイメロ風に)

    <正しいディベートのススメ>

    本来、スズセンの出来婚自体は、何の問題もないことなんだよね。
    ちゃんと付き合ってたんだし。二人ともいい大人だし。
    スズセンは妊娠発覚後、すぐにプロポーズしてるし。
    妻子を食わせるくらいの経済力もあるんだろうし。
    やっかいなテレパス持ち(っていうのか?あれ)なアサミさんだって、それを分かってくれる男性と結婚できるわけだし。


    だから、生徒達への説明だって。

    「動物は交尾をします。それは種の保存のためです。タイミングが合えば、一発で出来ちゃうこともあるんです」

    で、終わらせたって別にいいんだと思う。
    ミもフタもロマンもなかろうが、生物学的にはこれで紛れもない正答。
    動物が交尾をするのは、本能だよ。
    だから動物はやるかどうかで悩んだりなんかしない。だってやんないと滅んじゃうし。

    でも、動物の中でも人間だけは、脳が異常に発達してしまって、生殖を意図的にコントロールする術を身に付けてしまった。
    生殖と快楽を切り離して、快楽だけを取り出すことも出来るようになってしまった。
    重みを増した脳の分、人間の悩みはどんどん複雑になっていく。
    本音と建前と、欲望と理性。
    社会的存在として考えなくてはいけないことに、個人の事情を掛け合わせたら、出てくる答えは無限に増えていく。

    価値観も抱えている事情も、人それぞれだ。
    たった一つの正しい答えなんて、どこにもありはしない。
    だから、数え切れないほどの選択肢の中から、一番自分にfitしそうなものを、その都度自分で選んでいくしかないのだ。


    つまり、『スズセンのデキコン』は、ただの議題(ネタ)。
    「俺はナマでやる主義だ」っていうスズセンの主張は、生徒達が議論を進めていく上での、叩き台。
    スズセンは「俺はナマでやる主義だ。が、これがおかしいと思うなら反証してみろ。賛成であるならその根拠を示せ」
    って生徒に言ってるのよ。

    生徒達はこのディベートを通して、他者の多様な価値観と個人の事情を知ることになる。
    重要なのは、話し合いの中で結論を出すことではなく、議論の過程そのもので。
    自分だけの価値基準に凝り固まるんじゃなくて、他者の考えを知って、その上で、自分の価値観を揺るぎないものにしたっていいし。
    他人に影響されて意見を変えたって、それはそれでいいのだろう。

    つまり、スズセンは体を張って、生徒たちのために、生きた教材を提供したわけですよ。
    話題がナマだけに、イキがいいですよ。
    なんつって。

    ・・・・しまった。ついうっかり、こんなオヤジギャグで、ちょっと上手いこと言った気になってしまった。


    でね。このドラマの凄いところは、『鈴木式メソッド』が万能だと考えているわけではないってところなの。
    価値観は相対的なもので、絶対的なものは存在しない。スズセンの価値観も、選択肢の一つでしかない。
    そもそも、このドラマはスズセンを聖人君主としては描いてないし。
    ていうかむしろ変態、いや変人、つーか、むっつりすけべ(ってなんか懐かしい響き)

    彼の言ってることが、唯一の正解ってわけでもない。
    私は、基本的に彼の言ってることは詭弁だと思ってる。
    『鈴木式メソッド』というのが、私にはいまだにどういうものなのかは良く分からないのだけど、これは知的に高い生徒にだったら通用するんだと思う。
    でもこれが合わない子も確実にいる。

    特にカーベェみたいな子には、『鈴木式メソッド』は、キケンだとすら思う。
    多分カーベェって、親からあんまり大切にされてなくって、その寂しさを恋愛で埋めようとしてる子なんだろう。
    さらに残念なことに、頭もあんまりよろしくない。
    この手の、家庭でも学校でもおミソにされがちな子が、自分にも出来て、他の女子よりも優位に立てる手段として選ぶのが、男性経験の早さと数なんだよ。

    こんな判断力の弱い子に、やるかやらないかを自発的に判断させちゃ駄目だと思う。
    こういう子には、足子先生方式で自衛手段を教えてやらないと、悪い男に肉●●にされちゃうよ。

    「好きな人とはナマでやりたい!」っていう彼女の主張は、狡い男に、
    「俺のこと好きなら、ナマでやらせろ」
    というロジックへとすり替えられてしまうしだろうし、多分カーベエはその論旨のすり替えには気づけない。
    『体の付き合い』で割り切れるならそれでもいいけど、カーベエが本当に欲しいのは体じゃなくて『愛情』でしょう?
    生殖が目的ではないセックスは、目には見えない愛を、具体的に目と体で分かるためようにするための『置き換え』に過ぎないんだから。手段と目的の『取り違え』は、自分で自分を痛めつけることになってしまうだけでしょう。

    それで私が何を言いたかったのかというと、
    「足子先生の教育法だって、間違ってないよ!」
    ということです。
    ていうか、女の視点からしたら、私だって足子先生に同調するよ。
    だってさあ。いくら男女平等やジェンダーフリーを叫ぼうが、男と女はその機能的に、全く対等ではないんだもの。
    女の私がいくら鍛えたって、男のような筋肉は身に付かないし、力では絶対に勝てないし、受け入れる性としての自分でしかいられない。

    だから、足子式性教育は、お年頃の女子の自衛手段として、あってもらわなくては困る。
    穴があったら突っ込みたいお年頃の男子にも、
    「女はいろいろと大変なんだよ!」
    ってことを教えておくのは、牽制になっていいと思う。
    あとは男子には、自分で(略)のやり方でも教えとけばいいんじゃないかなあ。
    あたし永遠の17才だから、そういうのよくわかんないんだけどー(おいおい)。


    で、なんか『鈴木式メソッド』を批判してるみたいになってきちゃったけど、そういうわけじゃないんですよ。
    私的には、スズセンのロジックの方が、好みではあるんですよ。
    スズセンの言ってることは屁理屈っぽくても、上から目線で決めつけてるわけじゃないし。
    ロジックが純粋で乾いてて笑える要素もあるから、聞いててイヤにならないし。
    別にスズセンは笑いをとろうとしているわけではないんだろうけど、理屈っぽいロマンティストが、純粋な理論を突き詰めていこうとすると、何故かそこには笑いが生まれるのですよ。
    言うなれば、
    「君のためなら死ねる!」
    の岩清水君的なあれですよ。って、私どんだけ岩清水君が好きなんだよ!

    ていうか、原作まだ読んでないんだけど『鈴木先生』て、昭和の劇画チックな絵柄といい、台詞回しの大仰さといい、『愛と誠』あたりの劇画にかなり影響受けてるよねえ? 
    あ、そういえば1話で、中2にして既にヤリ●ンな岬君が、
    「~しちまったぜ」とか
    「裁き、受け入れます」
    とか大時代的な台詞を言うたびに、なんでか『ブラック・エンジェルズ』を思い出しちゃって、げらげら笑っていたのは私だ。
    いや、なんか、女殺し屋(麗羅って名前だっけ?)の
    「四万(死万)・・・いただきます」
    を何故か思い出してしまって。



    で、足子理論は、なまじ『分かりすぎてしまう』ので、<女嫌い故にフェミになっちゃった>私には生々しすぎて、いや~な感情が揺さぶられてしまうので、なんかイヤなの。
    それが、足子先生の報われないところなんだろうね。正しすぎて、かえって煙たがられてしまうっていう。
    だから、彼女は気の毒だったね。悪い人でもなんでもないのにね。
    スズセンと敵対するんじゃなくて、互いの理論に欠けているところを、互いに補い合えれば良かったのにね。


    つづく

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