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    『深説・八犬伝』感想1

    <This is not a reality but a fiction. >

    この舞台を観終わって思った事は、
    『カッコ良いことや、楽しいってことは、もうそれだけで正義だなあ』ということだった。

    才能のある綺麗な人達が、舞台の上できらきらした眩い光と、圧倒的な熱量を放ってくれている。
    今ここにいる客を楽しませるためだけに、汗と涙にまみれて、喋り捲って動き回っている。
    なんて贅沢で刹那的な時間だろう。
    エンターテイメントはやっぱり強い。
    この「おはなし」に、中途半端な理屈や、気取った文芸臭なんかいらない。そんなものは、お楽しみの邪魔だ。


    『深説・八犬伝』を観る前に、予習がてら『ガーネットオペラ』のダイジェストを何度か見たのだけど。

    「これはゲームである。そして物語でもある」

    という台詞が、何度聞いてもそこだけ浮き上がって聞こえた。
    『深説・八犬伝』にも、それに近しい台詞がやっぱりあった。

    聞いてて引っかかりを感じる部分には、大抵なんらかの意味やメタファーが隠されている。
    わざわざ物語の登場人物に、「これは虚構だ」と宣言させる作家の意図は何だろう?

    「この作品は、お客様と一緒になって創るものだと強く感じました」
    「僕は舞台が大好きです」
    「こんな時代だからこそ、娯楽は大切で、自分はそこに向かってやっていってます」


    カーテンコールで役者達が言っていたことに、何となくその答えの一端を見た気がした。


    人間の想像力は意外と限局的で、人が心地良いと感じるストーリーの筋も、実はたいして多くはない。
    今から約200年前の人が生み出した長大なサーガのモチーフが、手を替え品を替え、沢山の人達によって今でも受け継がれてきているように。
    人が心地良いと感じる「おはなし」の筋は、今も昔もそんなに変わらないのだろう。


    演劇は英語で『play』
    ごっこ遊びは『make-believe play』

    『演劇』は『ごっこ遊び』の延長で、アナクロで非合理的で、それ自体が目的のような『play』だけど。
    子どものような大人達が、全身全霊で『ごっこ遊び』を繰り広げてくれるから、客もその遊びに本気で付き合えるのだ。

    人には、遊びと物語が必要。それらがなくても死なないけど、あった方がきっと楽しい。

    私は初見の時は(この話がこのまま終わっちゃったらイヤだなあ)と思っていたから、あのラストで『救われた』と思った。
    話の整合性をとるなら、ラストの一歩手前で終わっても良かったのだろう。
    でも私は、あのラストは、客が虚構の世界に傷つけられる事なく現実に戻っていくための、『おまじない』のようなものだったんじゃないかと思う。

    表現は常に誰かを傷つけてしまう可能性をはらんでいて、傷つく人は勝手に傷ついてしまうけど。
    でもきっと、このおはなしで傷ついてしまった人はいないでしょう?
    客の心に楔を打ち込んだだけで帰しちゃうような演劇もあるし。そういうものの方が高尚だと思われる向きもあるし。私だってそういうのも見るけど。

    でも、生き延びる事だけで精一杯の現実から逃避して、虚構の世界に慰められたいことだってあるわけじゃない。
    エンターテイメントって、そのためにあるんじゃない?

    出来れば、物語の最後は幸せな方がいい。
    幕が降りた後に残るものは、「楽しかった」という気持ちだけでいい。
    それが終わらない夢でも、あり得ない奇跡でもかまわない。だってこれは、虚構だもの。

    決められた場所と空間で、ひとときだけの夢を見る。
    役者と客が、信じる事を共有する。
    そして、虚構の世界に遊んだ後に、それぞれの現実の旅に戻る。
    それがきっと、演劇というおはなしの効用。

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    Comment
    Re: >美沙さん
    あ~。オブラートに包んだつもりはなく、単に
    (あー私、結局Zは見なかったなあ。無理なの。私、一時期に複数萌えは出来ないの)
    というレスでした。
    関西の親分にも誘われてたんです。2F席がいいよって。でも気づいてたら東京楽過ぎてました。

    > そう夢中になれるのは幸せな事、いっぱい貯金しましょーね。

    ですね。わんこで萌えの貯金を一杯したので、次の機会までにチャリンチャリンな貯金をしておこうと思います。

    > 名古屋と大阪でもやりますので~。

    行くんですか?(笑)

    なんて言ってると、いつか(笑)なんて言ってられない状況になるかもしれないですよね。私が。
    わ~すみません。
    なんだかすごくオブラートに包んでいただいて…
    拍手をぽちっとしてから、あコメントできるんだったって思って書いたらちっとネガティブでしたね。隠れるつもりもなかったんですが。失礼しました。
    そう夢中になれるのは幸せな事、いっぱい貯金しましょーね。

    関西の親分は気にしなくていいですよ。自分の事で手一杯だから(笑)
    という私も、お隣りにいらしてるのを知っていながら、お誘いしなくてすみません。
    ひとりで勝手にベラベラと語り出して、ご迷惑かけそうだったので…やっぱりお誘いするんだった…名古屋と大阪でもやりますのでぜひ~ほら、大阪なら宿泊費ただのとこがあるし~(笑)
    拍手レス:03/01 06:31にコメントくださった方へ
    なんだか私も最近年を取ったのか、幸福な話を求めるようになってきたようです。学生の頃は、人が死にまくる本格ミステリか、サイコさん関連の本しか読んでなかったのに(怖)。むしろハッピーエンドなんて生温いってくらいな勢いだったのに。人って変わるものですねえ。

    Z・・・ああ。もの凄く近くでやっていたのに、分かっていたのに、私の頭の中はわんこでいっぱいで、結局見る余裕がありませんでした。すみません。と、関西の姐さんにも伝えておいてください(ここで書くな)。

    とにかく、夢中になれるものがあるって言うのは良い事ですよね(強引にまとめた)。
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