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    M&Oplays+PPPPプロデュース『窓』 感想

    というわけで、相変わらず遅いですが、『窓』感想です。
    役者さんごとに書こうと思ってたんだけど、総論になっちゃった。


    というわけで、相変わらず長いです。
    「望むところだ!」という方はどうぞ。





    A Tale of Distorted Bones



    @主人公、清輝のスペック

    父親が医者で、おそらく金持ち一族の御曹司で、見た目が悪くなくて、医学部入れるくらい頭良いのに、「シナリオライターになる」とか夢見がちなことを言い出しちゃって、しかし家出しても従姉妹の別荘に隠れるのが関の山で、大学を辞める勇気もなくて、押し掛け彼女がいて、泳げなくて、虫が嫌い。

    って。

    お前どんだけハイスペックなブルジョア子息な上に、最強ヘタレ男子キャラだよっ! 

    と、にやにやしちゃうような役でした(長げえ)。

    年上の従姉妹と『キヨちゃん』『タカちゃん』て、『ちゃん』づけで呼び合ってたのが密かにツボでした。
    わー。こいつらホントにお育ちがいいわー、つって。

    そんなこんなで高橋一生くんは、本当に思春期の少年のようでした。
    香澄役の野波麻帆さんと一生くんは高校の同級生なのに、彼女より10歳くらい年下に見えるんだもん。舞台の上だと、どんだけ若くなっちゃってんの?
    某怪獣ドラマの理系クールな班長の時は、35歳くらいの中間管理職に見えたのになあ。
    怖いわー。役者ってホントに怖いわー。

    場面が変わって森の中で、さらに少年のような格好で、死体探しって、いきなり『スタンド・バイ・ミー』ですか?  
    そして、このシチュエイションで、女口説かずに、本気で『死体探し=自分探し』に夢中って、どんだけ中2病だよ!

    そして、香澄と二人っきりになったと思ったら、

    「僕はあなたで妄想できます(意訳)」

    って、ものすごく、さわやかに言ってた。
    ちょ・・・・それって・・・・。
    いや、私オトメだから、具体的には書きませんよ。
    でもあまりにもさわやか過ぎて、意味するところを理解するのに、1分くらいかかったじゃないか。
    それに気づいたら、思わず時間差で爆笑しそうになってしまいましたが、そんなところで笑ってる人は当然他にはいるわけがないので、我慢しました。

    分かってる。自分の笑いのツボが、なんか変なところにあることは、当然分かっているさ。

    清輝は確かに理屈っぽいんだけど、知識と理論で武装して、別荘にいる変なオトナ達と対等に渡り合ったつもりになってるだけの、ただのお子ちゃまでしたな。
    きっと、坊ちゃま過ぎて経験し損ねた、反抗期とモラトリアムとが、医学部入学と同時に来ちゃったんだね。

    舞台を観る前に予想してたのとは違って、清輝は最初から、人として軸がぶれぶれぶれぶれぶれまくってましたな(byオーケン)。
    もっと物事に動じない人かと思ってたら、そうでもなかった。





    だから清輝は、最後まで傍観者でしかいられなかった。
    観察者にも記述者にもなれたけど、当事者にはなれなかった。
    清輝は、香澄の美しさに見蕩れてはいたけれど、彼女に恋をしていたわけじゃなかったから。
    彼はただ最後まで、美しくて、エキセントリックで、コケティッシュで、不安定な女を、『窓の外』から眺めていただけだ。

    『窓の中』にいる人々は、みんな何かを装っていた。

    屋敷の女主人は、周囲の男どもを手玉に取るファムファタールであり。
    周りにいる男達は、みんな彼女を自分のものにしたいと思っている。
    ・・・・そのように見える。

    だが実際に『窓の中』にいたのは、自分の存在を確認するために、他者の視線を必要とする女と。
    現実から逃れるために『窓の中』に逃げ込んで、そして逃げ続けるために、女の周りをぐるぐると踊り続ける男達だ。

    空々しい会話と、芝居がかった恋の囁きで構築された『窓の中』は、歪んで捻れて破綻寸前だった。
    彼らはあまりにも退屈だった。
    そして、目の前に漠然と広がる何もない時間を直視することにも耐えられなかった。
    だから、本当はそこには何もないのに、ひたすらはしゃいで、恋の駆け引きを楽しんでいるフリをしていた。

    現実的に彼女を好きだったのは、若いチンピラの順二だけだろう。彼には、自分の頭の上で交わされる、ウイットに富んだ会話なんか理解できない。知性も教養もない順二には、ブルジョア連中の会話にこめられた寓意や駆け引きは分からない。

    目に見えないコトバじゃ分からないから。
    目に見えるモノじゃないと分からないから。

    だから、彼は彼女への貢ぎ物として、髑髏を選択する。
    それなら、見えるし触れるし彼にも理解できるものだからだ。

    肉は朽ちても、骨は残る。
    時間をかけて、余剰なものを削ぎ落として、最後に残るものは純粋だ。
    それは彼の思いと同義だ。

    だから彼女に喜んでもらえると思ったのに、彼の貢ぎ物は、彼の思いは、完膚なきまでに彼女によって否定され。


    そして総ては崩壊する。


    『渦中』にいる人間は、自分が何の渦に巻き込まれているのかなんて分からない。『蚊帳の外』の人間の視点がなくては、『渦中』を記述することは出来ない。

    『物語』には語り部が必要だ。
    清輝が結局最後まで『窓の外』から見ているだけの傍観者だったのは、『窓の中』が観察者と記述者を要求していたからなのだろう。





    というわけで、『はつ恋』を下敷きにしているということでしたが、主人公が恋に身を焦がすということもなく、破滅する人々を見ていただけなあたりが、『グレート・ギャツビー』っぽいなあと思いました。

    あとなんか、最後に時間の経過を清輝のナレーションでやるというのは、ストーリーの構造としてなんか唐突だとは思ったけど。
    あの唐突なナレーション自体よりも、ナレーションの語り部が『僕』じゃなくて途中から『清輝』になってることの方が、私は気になってしょうがなかった。喋ってるのは清輝なのに、何で途中から「清輝は~」なんて他人事みたいな喋りになるの?
    えーなんで? これは清輝から見た『窓の中』の話なのに、なんで『僕』で統一しないの? 訳し方が下手な海外小説みたいだよ。無性別主語の訳し方間違えた? って感じだったよ。

    ああ。うん。そうだ。
    全体的に台詞回しとか言葉の使い方が、現代口語体のそれじゃなくて、昔の翻訳劇みたいでしたな。
    倉持さんは、海外小説が好きなのかなあ、とか。
    なんか村上春樹とか好きそう、とか。
    そこで何が起こっているかは描くけど、人物の心情を直接的に描いたりしないあたり、理系脳なんだろうか? とか、そんなことを感じました。


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