現代大人ヒーロー論 その2  ザンキ/松田賢二編

    雑誌インタビューから、松田さん発言で印象に残ったコメントを抜きだしてみました。


    「プロデューサーから”台本のザンキは松田賢二をイメージして書いた”と言われたときは、オーディションであんなにカッコつけてたかなあと思って(笑)」

    {テレビブロス16号インタビュー}


    「ザンキさんなんて、台本読んで目を疑うほど格好いいしね」

    {HERO Vision vol.19 インタビュー}


    こんな感じの発言を読んで、

    (ふーん。この人は随分客観的かつクールに、自分の役を見ているんだなあ)

    と、感心したし、変に浮ついたところのない、地に足のついた人だな、という感想を持ちました。


    確かにザンキさんのかっこよさっていうのは、一歩間違うとやっぱりギャグになっちゃうはずなんですよ。もしあのかっこよさを確信犯的に『狙った』としても、中途半端な脚本家が書いて、中途半端な役者が演じたら、ただのキザ男になっちゃうと思う。

    そんなの、かっこいい男を愛でることに命かけてる私が見たら許しませんよ(安い命だな)。


    ヒビキさんのかっこよさは現代的。飄々とした軽やかさがあって、とぼけてるけどやることはやるよ、な余裕のある大人。

    ザンキさんのかっこよさは、古風な感じ。重厚で硬質なサムライのイメージ。


    こういう対照的な大人のヒーローが、互いの持ち味を損なわずに一つのフレームに収まってるあたり、やっぱり絶妙なバランスで成立しているドラマだなあと思います。


    特撮ニュータイプ9月号の高寺Pインタビューによると、ザンキさんはオーディションの中で生まれたキャラなんだそうです。企画書上にはなかったんだけど、松田賢二の持ち味を使うために生まれたのがザンキさんだったとか。


    ザンキさんはいわゆる当て書きキャラで、松田さん本人は「自分はあんなにカッコ良くないよ」と謙遜してるけど、自分の中にない物は外には出せないはずですよ。

    ザンキさんのセリフには説明を極力排除したストイックな色気があって、発言がいちいち決めゼリフみたいになってます。

    一歩間違うと時代錯誤になりかねない個性を持ったキャラクターだけど、制作者サイドは松田賢二でならこのキャラは成立する、と思ったのだろうし、松田さん自身も制作者サイドからのオーダーにきっちりと演技で答えたわけです。

    で、その両者の読みがあまりにも幸せな結婚をしてしまったことが、今の人気沸騰っぷりに繋がってるんでしょう。現在の状況は、製作陣も役者本人も、ちょっと想像してなかったと思います。



    松田さんは見た目ちょっとコワモテで、その実マイク持たせるとなんだかふにゃふにゃな人だけど(でも歌は上手いぞ)。

    内面はとても聡明で、思慮深い人だなあと思います。

    インタビューでもそうだけど、公式サイトのコメントとか、テレビライフのコラムみたいに、彼が書いた文章を読むと、とてもそれが良く分かる。


    松田さんは、構成がしっかりした文章を書く人ですね。

    前置き書いて、主題を書いて、ちょっと主題に関するボケを入れて、展開させて、また元の主題に戻って、オチをつける、あるいは次回への引きを入れる。

    こんな感じの文章の構成力は、過去の読書経験で自然に培われる物だろうから、多分一定以上の読書量がある人なんだろうと推測しております。


    まあ私はただでさえ頭腐ってますし、目の前にフィルターがかかっているのも自覚してるので、試しに旦那ちゃんに読ませてみたら「良くまとまってるね」って褒めてくれたから、

    (あ、私の考えもそんなに間違ってなさそう。えへへ。良かった)

    と安心して、『松田さんは文章上手いぞ』と声高に主張できるわけですが。

    文章の構成だけじゃなく内容も、さらっと書いているようで、その実凄くファンへの配慮が行き届いた優しい文章で、そういう所もいいですね。


    松田さんは、多分、熟慮型なんでしょう。

    情報を取り込んで、じっくりと咀嚼して、自分に求められているものを理解して、自分の解釈を付け加えてから、表現として外に出すタイプ。

    反射神経で演技をやっちゃう人もいるけど、松田さんはそれとは違いますね。


    太秦での握手会では、お腹が痛くなるほどネタを考えていたとか、映画の舞台挨拶では、全部違うことをやりたかったので色々やった、っていうエピソードを聞くと、

    (師匠ーっ。いい人過ぎます。そこまでファンに奉仕しなくたっていいですよお)

    と、ちょっとその生真面目さが痛々しく思えたり。


    確か太秦では、司会者からの答えにくい質問に対して「少し考える時間をください」とかいって、うーーーんと考え込まれてしまいました。同様のことをヒーロービジョンでのインタビューでもやっていたと、同誌プレゼント欄のコメントにも書かれていて、

    (師匠ーっ。インタビュー中に固まらないでください)とちょっとは思いましたが。

    それも、迂闊なことを言わないようにしようという誠実さの現れなんでしょう。


    だから、まあ、アドリブにはあんまり強くなさそうだけど……。

    いやしかしっ、その熟慮型の性格傾向は、演技力や文章力にしっかと反映されているではないですか。

    だからファンサービスでは、変にボケに走らずに、取りあえず歌っとけばいいんじゃないかと思います。


    この手のエピソードを見聞きすると、彼はサービス精神旺盛というより、凄い『気遣い屋さん』なんじゃないかという感じを受けます。

    チャーミングな人であるのは間違いないだろうけど。

    実際男性にも人気あるしね。

    同性に慕われる人は、信頼していい人だというのが私の持論。

    でも、周りが思っているほど根は明るくないんじゃないかなあ。

    だって、根の明るい人がガンダムにハマるわけないもん(断言)。


    えーっと、そろそろオチを見つけたいなあ。

    まあとにかく久々に、この人の演技をもっと見たいと思える役者さんなので、この仕事をきっかけにオファーが増えればいいなあと思います。

    だめだ。無駄に長くなっただけで、やっぱりうまいオチが見つからなかった。

    グダグダな終わり方ですまない、師匠。


    関連記事
    スポンサーサイト
    Comment
    Trackback
    Trackback URL
    Comment Form
    管理者にだけ表示を許可する
    プロフィール

    美夜(miya)

    Author:美夜(miya)
    ・TV・舞台・本などの感想置き場。
    内容は、その時ハマっている物次第。
    規則性はあまりなし。

    ・記事へのリンクをされる場合は、
    該当記事のURLを明記してください。
    無断引用・転載はご遠慮ください。

    <管理人別館>
    木更津Honty Tonk
    『木更津キャッツアイ』中心感想サイト

    Innocent Accomplices
    『相棒』感想サイト
    (1st.~4th.seasonまで)

    ・ツイッター: @miyabreaction
    (過去つぶやきまとめ)
    ついろぐ

    ・連絡はこちらからよろしくお願いします↓
    メールフォーム

    最近の記事+コメント
    カテゴリー
    ツイッター
    オススメ
    過去ログ v Co リバース
    ブログ内検索
    ブログパーツ

    美夜の最近読んだ本

    リンク