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    『ガス人間第1号』舞台版考察 その2

    これで終わりになる予定だったのですが、また無駄に長くなってしまったため、書けたところだけupします。おそろしいことに、まだ続きます。いつまでやるんだ私。
    もうこうなったらヤケだ。観劇していて考えたことは全部書いてやる!

    じゃあ、またそれなりに長いですけど、読んでやろうという方は続きをどうぞ。




    <Their time remained stopping.>

    楽器店の店員として、ギターを爪弾きながら登場した橋本君ですが、その時の第一印象は、

    (あれー? 一生君てこんな童顔だったっけ? なんだか大学生みたいよ)。

    というものでした。
    それも、イマドキの学生じゃなくて、なんだか70年代にフォークソングを歌っていたような学生を、こぎれいにした感じ? レトロな雰囲気っていうか、まあとにかく現代の人っぽくはない。
    で、顔はあどけない感じなのに、話し始めるとこれが凄くいい声で、そのギャップにドキドキしました。もちろん彼が低音美声なのは知ってたけど、ちょっとこれまでの芝居では聞いたことのないような、低くて深くて音程の整った、大人の男性が出す声をしてました。
    (あ~、なるほど。これは昭和風味の、つまりは土屋嘉男さんリスペクトな演技プランなのね)
    と深く納得。

    しかし最初は端整だった彼の佇まいは、千代さんの逮捕を機に、静かにゆっくりと壊れていきます。

    「千代さんを解放しろ!」
    と、警察署でガスとともに怒りと狂気を爆発させた後、留置所にいる千代さんの所に行くシーンでは、いつの間にかのらねこオーラ大全開!

    「扉の鍵は開けなくていい」って千代さんに言われて、顔色を変えて、
    「どうして? 千代さんは悪くないから、こんなところにいる必要なんかないのに!」
    と必死になる姿が、

    『いやだ。お願い。僕のことを嫌わないで』

    って全身全霊で訴えているように見えました。いや実際にはそんな直接的な台詞は言ってないんだけど、私にはそう見えたっ! そう聞こえたっ! ひょっとしたらまた私ったら変な電波を受信しちゃったのかもしれないけど、もう気にしないっ!
    そして、千秋楽の時には、橋本君は10代の少年のようになっていました。

    どこまで若くなるんだ高橋一生!

    いーや、私にはそう見えたんですっ。見えたものは見えたので、異論は認めない。

    そして千代さんは、最初から最後までもの凄く年齢不詳でした。20代にも30代にも見えるし、どちらにも見えない。そもそもそこに生きて存在している人なのかどうかも不明な雰囲気。

    この2人の時間は10年前の事件で止まっちゃって、もうそのまま動かない時間を過ごしてきたんだな。だからこの2人だけ、微妙に違う空間を生きてる人達みたいなんだと、そんなことを考えながら観てました。



    <Please call my name and hold me tight. >


     最後に、ガス人間のためだけに歌う千代の姿は、とても美しく、そして神々しかった。
     橋本には千代の姿がこういう風に見えていて、橋本というフィルターを通した千代の姿を、観客も同じように見ていた。女神の歌声を聴いていた。

     なのにそれを途中で邪魔されて、それが許せなくて、

    「誰だ・・・? こんな素晴らしい歌の邪魔をするのは、誰だあっっ!!」

    そう叫んで、ガスとともに怒りと哀しみと悔しさを放出させながら崩れていく橋本の姿が、もう本当に痛々しくて。

    (千代さん、お願い。せめて、橋本君を抱きしめてあげてよ。そうでなきゃ、この孤独な魂が救われない!)

    と、私は心の中で叫んでいたわけです。

    でも、初見の時はそこで千代さんが

    「橋本君、私を抱きしめて」

    って言ったことに、

    (私を抱きしめて、なのか。彼を抱きしめてあげるんじゃないんだ)

    と私は内心思っていて、実際初見の時は橋本君が千代さんを抱きしめに行った、というか、彼女に抱きついている感じに見えたんだけど。
    でも、だんだん変わっていったよね、あれ。
    何回か見ているうちに、戸惑っている橋本君の胸に、千代さんが飛び込んでいくという形になって、そして(これは現実なのか?)という雰囲気で一瞬千代さんの顔を見つめる橋本君のシーンも増えていて、回を重ねるうちに、よりしっくりいく感じに変化していったなあと思います。

    変化と言えば、そこの千代さんの台詞が
    「私を抱きしめて」「千代のこと、抱きしめて」っていうのと、観た回によって言い方が変わってたような気がするんですが。
    そこに引っかかった回と引っかからなかった回があったような気が・・・。
     
    なんでそんなところに引っかかったかと言えば、それは私が、自分のことを名前で呼ぶような女はキライだからに他ならないからなんですがw
    (我ながら身もフタもなさ過ぎるな)

    あれが大王様が書いた台詞なのかどうかは、ちょっと気になる。ひょっとして、あたるちゃんの中から出てきた言葉なんじゃないかって気もした。なんていうかこう、すごく『オンナ』を感じさせる言葉と雰囲気だったんだよね。

    んー、でもなあ。
    あれは、ただ橋本君の幻想を一身に受けるだけの偶像的存在だった千代さんが、生身の女になった瞬間だったと解釈することも出来るんだよね。
    それならあの台詞でいいのか。きっとそれで良かったんだろうな。


    しつこく続く
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    Comment
    Re: No title
    お久しぶりです。コメントありがとうございます。
    インフル大変でしたねえ。でも、生イッセイが見られて良かったですね。やっぱ生はいいですよね。脳がしびれますよね。

    > 千代さんの歌を客席の方で聴いていた時の一生君の表情は、せつなすぎて
    > 一瞬で目に焼きつきました。
    > 席が前の方だったのであまり後ろを振り返れず、じっくり見れずすごく残念でした。

    全力で同意です。私も彼の表情に脳がやられまくりで、大変なことになってました。なのでうっかり通ってしまいました。何がうっかりだ確信犯のくせに>セルフツッコミ

    脚本にも演出にも役者陣にも文句はなかったのですが、唯一クリエの構造だけがもったいないと思いました。いや、クリエは見やすくて椅子も腰が痛くならなくて良い劇場だったんですけど(これで料金がもっと安ければなあ、うにゃうにゃ)。

    だってあれだと、前方の席だと振り返らないと橋本君が見えなくて、後方の席だと彼の顔が見えないんですよっ! ぎゃー。もったいないお化けが出るー。
    あんなにも、あんなにもっっっ! 千代さんを客席から見つめる橋本君は、凄絶にせつなくて美しい表情をしていたというのに、あれが見れない人がいるだなんてーーー。神様ひどいですーーー。
    とか考えてました。もう色々と末期です。
    今はひたすらあの表情が、映像に残っていることを祈ってます。アップで撮ってもらえたでしょうか? あれが残らないなんておーかーしーいー。

    書けば書く程、色々なことがヒドくなってきてる(主に私のアタマが)感想諸々ですが、こんなので良ければまた読んでやってください。

    No title
    美夜さん、お久しぶりです。ガス人間考察、読ませて頂きました!
    私は一生くんの舞台を見るのが初めてで、ガス人間も1回しか見ていないので
    細部の記憶が段々薄れていっているんですが、本当に橋本君はせつなかった!
    千代さんの歌を客席の方で聴いていた時の一生君の表情は、せつなすぎて
    一瞬で目に焼きつきました。
    席が前の方だったのであまり後ろを振り返れず、じっくり見れずすごく残念でした。
    とにかく初の生・一生君を見るという緊張感がすごくて、しかも最後の最後で
    あのどんでん返しで終わった衝撃もすごくて、私はこの日インフルエンザを
    発症してその後いろいろ大変でした^^;
    いろんな意味で忘れられない一作になりました。
    続き楽しみにしていますね♪
    どもども
    以前拍手コメントにも入れてくれた方でしょうか?
    ありがとうございます。

    自分でもなんでここまでツボに入ってしまったのか、もう本当にわけが分かりません。
    1ヶ月も何をやっているのかと。でも、書かずにはいられないんです。自分でもおそろしいです。でも、自分のブログなので、好きにやろうと思います。

    あと、今後また感想いただけるようであれば、固定HNにしてもらえるとありがたいです。
    「とおりすがり」だと、対象者が多すぎてしまうので。

    No title
    読むの楽しみにしてました。もう一ヶ月経とうとしているのに、ここへ来るといろいろとよみがえってきて楽しいです。本当にここまで熱く語っているブログありませんよ。高橋さんの年齢不詳ぶりには納得です。最後の抱きしめる所の千代のセリフも見た回によって確かに違って聞こえました。
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