BATO LOCO   ~東葛映画祭レポその1.5

    ネタバレをしないように書いたら、余計なこと(溢れ出る愛とかな、私の)に満ち満ちた文章になってしまいました。

    しょうがねえ、読んでやるか、と思った方は、read more をぽちっとどうぞ。

    バトロコは、松田さん演じる正(タダシ)が地下鉄内で、コンビニ弁当をむさぼり食うところから始まります。

    あれ? なんか、デジャ・ヴを感じる。何故だろう。

    「だって50万だぜ! 封筒を届けるだけで50万!」

    それ知ってるーーー。

    アタシそんな感じに、アヤシイ仕事を押しつけられては、毎度毎度主役二人がボコボコにされるドラマ、すっごく知ってるー。

    で、そのドラマっていうのが、前のエントリにも書いた『傷だらけの天使』。
    知らない人の方が多いだろうと思うので、簡単に内容を説明すると。

    『傷だらけの天使』は、探偵事務所の下請けでヤバイ仕事を押し付けられるチンピラの修(萩原健一)と子分の亮(水谷豊)が主人公。
    探偵事務所の女ボス『綾部のババア』に岸田今日子。その忠実な秘書に岸田森(故人)と、強烈な役者を脇に据え、当時を知る人の口の端に未だに登り続ける伝説のドラマ。

    なのです。

    じゃああれだ。バトロコ冒頭のシークエンスはやっぱり、傷天におけるOPなんだ。(ショーケンが冷蔵庫から食べ物を取り出してはひたすら食べ続けるというモノ。性欲の象徴なんだって。トンがってるよね~)

    リアルタイムも再放送も見ていない私が(本放送の時は、私は生まれているかいないか……って、年バレるじゃん!)、なんでこんなに詳しく知っているかというと、3年ほど前に『相棒』という水谷豊さん主演の刑事ドラマ(に見せかけた本格推理ドラマ)にはまって、水谷さんの過去作品見ているうちに、行き当たったんですよ。
    ああ、ちなみに『相棒』は好評につき、先週から第4シリーズが始まりました。水曜夜9時テレ朝系。おすすめっす。

    で、傷天ですが、これがねえ、泥臭くて猥雑で暴力的で、 粗野で下品でエロくて、強烈に面白いドラマだったんですわ。
    基本コメディテイストなくせして、毎回毎回バッドエンドで、見終わった後の後味の悪さも半端じゃなかったけどね。


    そんなわけでバトロコを、「ああこれやっぱり、傷天トリビュートなんだわあ」と思いながら見てましたが。
    でも、ただのコピーでは断じてなかったよ。
    ストーリーはきちんとしているし、低予算で作ったとは思えないくらい、画の切り取り方がとても綺麗。
    先行作品に愛を捧げつつも、そこにはなかったモノを描こうとしているのが分かりました。
    何者かになろうとして、精一杯あがいている人達の懸命さとか、純粋さとか。
    そのあたりに、加納監督の人の良さっていうか、ロマンティシズムが良く出てるなあと。

    バトロコは約4年前の作品だけど、その頃はまだ監督も松田さんも駆け出しで。
    舞台挨拶で松田さんが、
    『バトロコに出てた連中の中には、今はもう役者を辞めた人も多くて、そんな中で自分はまだこの仕事にしがみついていて……』
    なんて話をした後、しんみりしてしまった自分に照れるかのように、歌に走ってしまった訳なんだけれど。
    金も力もないけど、情熱だけは無駄にあって。海のものとも山のものともしれない自分をどうにかしてやろうと、闇雲にじたばたしてた時代。
    多分、そんな自分たちの実状が、バトロコの正と真の二人には投影されていたんじゃないかな。
    松田さんがファンに優しいのも、共演者にやけに慕われているのも(特に、川口君とか川口君とか川口君とか……)、台本を開くことができることに感謝している、って語るのも、そういう時代があったからでしょう。

    だからそれを考えたら、『仕事やだー。もうやめたーい』なんて、ほざいてばかりいてはいけませんよ、私。就職活動の時全然仕事決まらなくて、自分の存在を社会から否定されたみたいで、びーびー泣いてばかりいたじゃないの、自分。


    ホントは、上映後の質問タイムに聞きたかったんですよね。
    『やはり傷天リスペクトでしたか?』って。
    でも、客層からしてここにいる95%くらいの人は傷天知らないだろうし、うかつなこと言って、場の空気壊しちゃったら嫌だし。他の人達の質問が至極まともなモノだっただけに、そこで聞くのは憚られたので、おとなしくしてました。


    のですがイベント後、加納監督も外で、サインやお話に応じてくださっていたので、

    じゃあ、あれを聞いてみようか。

    と、監督にパンフレットにサインしてもらった後、質問してみました。

    私「拝見していて凄く『傷だらけの天使』を彷彿とさせるモノがあったんですけど」
    と言ったら、ちょっとびっくりした顔をされて、
    監督「『傷だらけの天使』へのオマージュです」
    私「やっぱり~~~~~!!」
    この時点で私のテンション超アーーップ!。

    私「『傷だらけの天使』大好きなんです。DVDも全部もってて。だから、すごく見ていて嬉しかったです」
    なぞとまくし立ててしまって、どうもすみませんでした、監督。
    イタイオタクの戯言をお聞かせしてしまい、今は反省しています。

    監督「あのドラマのショーケンは、とてもセクシーでした」
    (注、セクシーという単語を使っていたかがちょっと記憶が曖昧です。男性から見て色気のある男、的なニュアンスのことを言っていたような。すみません。何しろテンパってたもので)


    監督「ショーケンみたいなかっこいい男を、やって欲しくて…」
    と言って、隣にいる松田さんの方を見やったので、私もつられて、ファンに取り囲まれてる松田さんを見ながら、
    私「(バトロコの)二人も、とってもカッコ良かったですよ」

    ていう話をしていたら、松田さんがこっちを向いて、
    (見て見てーっ)って感じで、ファンの人からサインを頼まれたらしき斬鬼カードを、監督に向かって見せびらかしてきました。
    それに対して監督はうんざりした顔で、「気持ち悪っ」なんて言ってましたが。

    でもなんだか私的には、めちゃめちゃ幸せな瞬間でした。
    松田さん、監督に愛されてんなーって思って。
    監督は松田さんに、自分が好きだった主人公みたいに、バカで意固地で虚勢張ってて、すっごくカッコワルいのに、それがどうしようもなくカッコいい男を演って欲しかったんだね。

    ああもう。いいなあ、男の友情って。もうこの二人にはどんどん映画を撮らせてあげたい。そしてもっと名が知れ渡って、ティム・バートンとジョニー・デップみたいな盟友扱いを受けるようになればいい(←この人選の仕方がいかにもオタク)。


    ・・・・・・・・・。
    あああああっ。そういえば加納監督に言い損ねた!
    「お父様、『傷天』にもでてらっしゃいましたよね」って。

    うがあーーーー。不覚だ。バトロコ見てる最中は覚えてたのに。
    だってバトロコにも監督のお父上(加納典明氏)が友情出演(?)してたから。
    と、方向性が明らかに間違っている後悔をしつつ、終わります。

    ああ、ちなみに、傷天での典明氏の役所は、

    オカマの殺し屋
    でした。
    (第10話『金庫破りに赤いバラを』 )


    おまけ。
    私別館で水谷豊作品のレビューをやっておりますが、傷天の全話レビューもあります。
    ただし、死ぬほどネタバレなので、読むなら、見終わってからの方がいいですよ。

    『Innocent Accomplices』
    http://accomplices.fc2web.com/
    コピペでどうぞ。

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    (箇条書きで失礼)いい映画だったなあ。Gorilla'sfilmのTlalerで見たときから「いいなあこれ」と思っていたけど、ちゃんと見て本当に大好きな作品になった。真実の重さを象徴している真と、その真実を許せず拒絶し、また許容する正義感の正。この二人の性格がそのまま映...
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