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    『ガス人間第1号』千秋楽後 感想

    『ガス人間第1号』千秋楽帰りの電車の中で。

    (はー・・・・終わったー)。

    とぼーっとしてたのですが。
    そうしたら『夏目友人帳』の作者が公式ファンブックのインタビューで自作について語ってた

    『温かいものを飲みながらじゃないと、さみしくて描けない』

    というフレーズを突然思い出して、それまで『ガス人間』を見ていてぼんやり頭の中に回っていた色々なことがいきなり腑に落ちたので、そのことを書こうと思います。


     最初に『ガス人間~』を見た直後に、
    (もう1回見たい!)
    と思ったのは、もちろんもっと高橋一生君を見たいという気持ちからでしたが、なんだか観劇後に自分でも良く分からない感覚が体に残ってて、その正体を確かめたかったというのもありました。

     それが何だか分からないんだけど。上手く言語化できないんだけど。だから体になんか変な反応が表れちゃってるんだけど。
     私はガス人間から『何か』をもらっちゃった。
     ガス人間の『何か』にあてられちゃった。
     なんだー、なんだー、これってなんだー? 
     その答えを見つけようとしたら、なんか結果的にいっぱい通っちゃったわ。結局何回行っちゃったかなんて、恥ずかしくて書けないよ。まあその辺りは適当に察してください。

     今考えてみると、もの凄く私は自分の身体感覚を間違って理解してた。
     自分の体の反応を知っている言葉で説明しようとして、もの凄く違うものを持ってきてしまった。
     千秋楽後に家に帰って、自分で書いてた過去の感想を見返して、自分の勘違いっぷりに頭抱えちゃったもの。

    「それは酸欠でも貧血でもなくて、『寒かった』って言うんだよ、5日前の私!」

    って、もの凄い勢いで自分にツッコんだ。あそこまで書いておきながら、あれが

    『さみしくて寒い』

    っていう感覚なんだっていうことに、全く気づいてなかった自分にむしろ驚いた。

     だって、私はそんな経験したことなかったから。だから分からなかった。
     私にとって『寒い』っていうのは『気温が低い』っていう自分の『外』で起きている事象で、自分の『中』で起きることじゃなかったから。
    『心が寒い』って言い方があるけど、私はそれは『目から鱗が落ちる』的な、ただの慣用表現だと思ってた。

    (理由が良く分からないけど、どうも私はガス人間を見ていると、血の気が引いちゃうみたいだから、今度はカイロ持ってこう)

     なんて、3回目の観劇後に寝とぼけたことまで考えてた。
     違うっ! 血の気が引いたんじゃない。寒いの。どう考えても自分のやってることは防寒対策でしょうが。

    ・・・なのに、その時はそんなこと思いつきもしなかった。
     他人がやってる役の感覚をそのまま体にもらってしまう経験なんて滅多になくて、それはとても生々しくて非言語的な感覚で、何だか私はそれを上手く消化できなかった。

     思考は言葉と繋がっていて、感情は体と繋がっている。


     大王様は、大切なこと程、大切な人物には言わせないんだと思った。
     言葉にした途端に、それはとても陳腐なものになってしまうから。
     だから言葉じゃなく、別の形で観客に気取らせる。推測させる。感じさせる。

     例えばそれは楽器店で、決して千代と目を合わせようとはしないのに、ずっと彼女の姿を追い続けている橋本の視線に。
     あるいは、彼女のスタジオを訪れて、足音を消して、気配も消して、老人が語る『ネズミの死体を持ってくる猫の話』をただ黙って聞いている彼の後ろ姿に。
     私たちは決して直接的には語られることのない、彼の孤独を見る。
     そうした描写の積み重ねが、彼の哀切さを増幅させる。

     回を重ねるごとに、橋本の存在はどんどん儚くなっていって、途方に暮れた小さな子どもみたいになっていって。それがとても心許なくて、私は彼を見てるのがどんどんつらくなって。
     千秋楽あたりでは、手の中にミニカイロ握りしめて、劇場で借りた膝かけ使って体をあったかくしないと、もう彼のことを見ていられなくなった。
     彼のさみしさが体中に落ちてきて、寒くて寒くて仕方がなかった。

     橋本は自分では言わなかったけど。そんなこと一言も言わなかったけど。
     彼はずっと一人で、こんなに冷たくて寒くて怖くてつらい場所にいたんだと思うと、その孤独の深さに泣けてきた。
     こんなにさみしい世界にいるのに、

    「僕のために歌ってください。一度だけでいいから。数分でいいから」

     そうとしか言えない彼の不器用さが、本当に哀しかった。

     初見の感想で私は

    「彼の背中をさすってあげたくなった」

     って書いてて、それ書いた時に、
    (どうもここだけ全体の文から浮いてる気がするんだけど、初見の印象は大切だから残しとこう)
     と思って書いておいたのだけど、今考えるとそれは、

    「彼がとても寒そうだったから、あっためてあげたくなった」

    ってことと同じ意味だったね。

     自分の体をガス化させるたびに、痛くて苦しくて仕方なかっただろうに、でもそうするしかなかったんだよね。だから私もその痛みをもらってしまって、胸が凄く痛かったよ。

     彼は最後の最後に大切な人を抱きしめて、抱きしめてもらって、あたたかさを感じられたかな。
     今は痛くも寒くもない場所に、大切な人といるのかな。



    ・・・ってねえもう。
     私ったら、ガス人間こと橋本君にシンクロし過ぎて、もうホントヤバい感じになってますね。未だに。
     大丈夫か? こんなゾーンに突入してしまって、戻って来れるのか私?
     いや、もう既にこの記事書いてるときも、舞台見てた時の感覚が体に出てしまって、何だか手がしびれて、あったかい紅茶飲み飲みしながら書きましたよ。
     ふー。

     これからしばらくはあったかいところで冬眠気味に、一生君のお仕事情報をのんびりと待ってます。 
     できれば今度は、すんごい馬鹿っぽい話がいいんですけどね。個人的には。
     だってそうでないと、これからしばらく一生君の顔を見るだけで、

    (あれ、なんだか動悸が)

    とか、

    (おや、なんだか寒気が)

    的な、

    もの凄く間違ったパブロフの犬的反射回路が私の中に定着してしまいそう。

     イヤだ、そんな条件反射。

     なので、ちょっとこの気持ちを中和して欲しいのです。 

     でもまだもうちょっとこの世界に浸りますよ。だってまだ、映画版見てないし、映画と舞台の比較もしてないし、特殊効果のことも書いてないしな。

     まだ書く気なんだ、と思われそうだけど、需要があるのかどうかも知らないけど、いっぱい見たからいっぱい書きたい気持ちはあるんだ。もの凄く自分で自分の首を絞めている気もするけどね。

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