現代大人ヒーロー考1 響鬼/細川茂樹編

    細川さんはもともと『007』が好きで、仮面ライダー役を引き受けるに当たっても、最初は007みたいな都会的ヒーローを想定してたそうですが、結果的に『ヒビキ』はそういうキャラにならなくて良かったなあ、としみじみ思います。高寺プロデューサー、グッジョブ!
    だって、細川さん普通にかっこいいでしょ。

    出自が『ノンノ・ボーイフレンドグランプリ’92』ですよ。

    今で言うところの、ジュノンスーパーボーイコンテストみたいなものですよ。多分。良く知らんけど。

    この現代日本で、細川さんみたいに普通に見栄えのいい人が、普通にかっこいい役やろうとしたって面白くないし、嫌味だし、印象に残らないし、場合によってはただのギャグですよ。しかも勘違い系の。

    書いてて思い出したんですが、響鬼見始めた頃(クウガだったかも。同時進行で見てたからちょっとはっきりしないんだけど)、

    『あれ? 今日びの仮面ライダーって、自分の正体隠さないんだ。時代は変わったなあ』と思った記憶があります。

     世界中の苦悩を背負って孤独に戦っていた過去のライダーと、現代のライダー(じゃなくて鬼なんだけど)の最も違う点は、『分業制』を取り入れたことなのでしょう。


    【自分に出来ること、やれることは、自分の責任で精一杯やる。

    でも、自分の苦手なこと・無理なことは、それを得意とする人に任せればいい。

    全てを一人で抱え込む必要はない。

    世の中には、信じていい人も、守ってくれる人も、助けてくれる人も、ちゃんと存在しているから。

    だから、大丈夫だよ。】


    というメッセージは、『クウガ』の中にも違う見せ方で入っていたので、この設定には高寺Pの価値観とか美意識とかが色濃く反映されてるんでしょうね。


    どちらの作品も、主役とその周囲にいる人達からは、妬みとか嫉みとか裏切りとか誤解とか三角関係とか、その手のネガティブな感情や関係性は注意深く排除されています。

    そこにあるのは、誰もが自分に割り振られた役割を果たしつつ、他者のことを純粋に気遣い、人を信じたり、頼ったり頼られたりすることが当たり前の世界です。

    『響鬼』は、子どもよりも大人が見た方がストレートに響く物語だと思うのだけれど、それは大人達だって、シンプルで純粋な信頼関係に飢えているからじゃないのかな。


    今はモノも情報も多すぎて、価値観も人それぞれで、正しい事とそうでない事との境界線も曖昧で、選択肢はいっぱいあるけれど、その中の一つを選ぶ基準が分からない。

    どれも選べずに漂っている人達を『怠け者だ』と非難するのは簡単だけど、でも、自分は何を選んだらいいのか、何をしたらいいのか、そのヒントも指針も与えられていなかったら、選びたくても選べないよ。


    私は根が暗いから、世の中がこれから悪くなることはあっても、良くなることはないだろうと思う。お偉いさんには期待できないから、自分の身は自分で守るしかないだろうとも思う。

    こんなクソくだらない世の中を生き抜いていかなくちゃならない子ども達は、心底気の毒だとも思うのだけれど。


    でもさ。


    信頼できる大人がそばにいて、その人が前を歩いていて、時々振り返って自分を見ていてくれたら、安心して自分の道を考えられる。こんなくだらない世界だけど、生きていくのもそう悪くない。

    そんな風に思えるんじゃないのかな。

    明日夢君にとってのヒビキさんがそうであるように。


    細川さんは、いい仕事を受けましたね。

    タキシードで高級車を乗り回すような、見た目に分かりやすいかっこよさのヒーローとは違っていたことに戸惑いもあっただろうけど。


    でも私は、二枚目と三枚目の間を軽やかに行き来して、父性のプラスの面をさりげなく見せてくれて、少し手を伸ばしたら届きそうな、そんな背中を見せてくれるヒーローの方が好きです。


    大人と子どもは見てるポイントが違うから、大人が考えるようなメッセージをそのまま子どもが理解出来るとは思わないけど、他者への気遣いに満ちた優しい世界をモデルケースとして提示することで、まだ柔らかい子どもの心に、基本的な他者への信頼感を根付かせることが出来るんじゃないかな。

    【信じていい大人もいる】

    そう思えるだけでも、生きていくのはきっと楽になるよ。

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    細川茂樹細川 茂樹(ほそかわ しげき、1971年12月16日 - )は俳優で元モデル (職業)|モデル。サムデイ所属(過去にはアオイコーポレーション→ウィズ・ケイワン所属)
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